2018年5月20日日曜日

5/18 勉強会:仮想通貨における相続時の課税関係が判明 他

1.退職者を被保険者とする支払保険料も損金算入可

■法人
・社内規程(がん規程)に基づく従業員に対する福利厚生の一環として、
法人を契約書及び受取人、従業員(退職者を含む)を被保険者とする終身がん保険契約を締結した。
・法人税確定申告の際に、がん保険に係る支払保険料を損金に算入した。
※がん規程の内容:退職後5年間、退職者ががんになった場合に、退職者に見舞金または弔慰金を支払う。
※終身がん保険契約の内容:掛け捨てであり満期返戻金はない。解約の場合は解約返戻金あり。

■課税当局
・退職した従業員を被保険者とするがん保険に係る支払保険料は業務関連性が認めれられないとし、
損金不算入とする課税処分を行った。

■国税不服審判所の裁決(平成29年12月12日)
・退職した従業員に係る支払保険料を損金不算入とした課税処分を取り消した。
⇒本件のがん保険契約は、従業員の福利厚生を目的とし、治療費補助等制度に基づく見舞金または弔慰金の原資とするために締結されたものであると認定。
⇒退職者支払保険料は納税者の業務との関連性を有し、業務の遂行上必要と認められるため損金に算入できるとした。





2.実務対応報告第38号「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」について

■仮想通貨の期末評価
・売買目的有価証券の評価に近い考え方
・活発な市場が存在するかどうか
⇒存在する:時価評価/存在しない:取得原価評価
(活発な市場の要件)
・継続的に価格情報が提供される取引所
・十分な数量、頻度で取引
・売手と買手の希望価格が著しく離れていない

■仮想通貨の売買損益の認識時点
・売買の合意が成立した時点

■開示
・売買損益はPL上純額表示
・注記(仮想通貨利用者を想定)
(1) 期末日において保有する仮想通貨の貸借対照表価額
(2) 期末日において保有する仮想通貨について、活発な市場が存在する仮想通貨と活発な市場が存在しない仮想通貨の別に、仮想通貨の種類ごとの保有数量及び貸借対照表価額

■適用時期
・2018年4月1日以後開始する事業年度の期首から適用
・早期適用も可能
⇒最短は2018年3月期決算での適用が可能
(この5月上旬にIRされた会社の中にも適用しているところがあるかも…)





3.仮想通貨における相続時の課税関係が判明

■相続税法上の取り扱い
・仮想通貨は課税対象
⇒相続税法上、経済的価値のある財産を相続した場合、相続税の課税対象となる
⇒仮想通貨は資金決済法で財産的価値があると規定されている

■相続人がパスワードを知らない場合
・仮想通貨は課税対象
⇒真偽の判定が難しい
⇒課税しないのは課税の公平性の観点から問題あり

■取得費加算の特例※
・適用するかどうかは検討中
⇒土地や株式の譲渡による所得は譲渡所得に区分されるが、仮想通貨は雑所得に該当するため
※相続した土地や株式などを3年以内に譲渡する際には相続税額を資産の取得費に加算することができる制度





4.相続開始前の預金引き出しは隠ぺいと認定

■概要
・平成24年に死亡した母(亡母)の唯一の相続人が相続開始前に亡母名義の口座から5,180万円引出
・医療費や療養施設への支払(約300万円)をする一方で、1,070万円を相続人の預金口座に入金
・残りの3,810万円を現金の金庫内に保管
⇒納税者名義口座への入金額1,070万円+自宅保管現金3,810万円=4,880万円
を相続財産として申告していなかったとして、重加算税を含む課税処分を行った。

■納税者の主張
・亡母名義口座の預貯金は、平成19年に亡くなった父の未分割の相続財産(納税者のもの)である

■東京地裁の判決 ⇒ 納税者側の敗訴
・預貯金の名義は亡母であり、固有の財産である年金の入金があった
・亡母名義の国債の償還、利息の入金があった
・預貯金口座の通帳、カードは亡母自らが管理していた
⇒預貯金等は全て亡母に帰属すると判断。

■隠ぺいと認定した理由
・預貯金は相続財産になると知っていて、申告する必要があると認識していた(意図有り)
・相続開始前に亡母の医療費などの支払を大幅に上回る現金を引出した(特段の行動)
⇒重加算税の処分は適法と判断





5.税負担20%以上でも経済活動基準判定

■平成30年改正でCFC税制に導入されたキャピタルゲイン特例
→譲渡された株式を「内国法人や内国法人に係る部分対象外国関係会社」に再移転する場合には適用あり
→同特例の適用局面では、制度適用基準は関係ない点に注意
→外国関係会社の租税負担割合が20%以上、さらには30%以上でも、経済活動基準の適合性判定必要





6.福利厚生費と交際費等との区分

交際費⇒得意先や仕入先その他事業に関係のある者に対する、接待、供応、慰安、贈答な
どの行為の為に支出する費用。
・交際費に該当する金額は一人、5,000円以上(会議費との区別する目安の金額)
・接待時の送迎のタクシー代を自社で負担した場合、金額に関係なく交際費となる・
・お土産代

福利厚生費⇒従業員の福利厚生のための費用。従業員に公平に支給される給料以外の費用。
・金額は常識の範囲内
・従業員の慰安のために行わる運動会、新年会、旅行など
・従業員等またはその親族等のお祝いやご不幸などに際して、一定の基準に従って支給さ
れる金品に要する費用。




7.東京高裁 役員退職金の過大判定で国が逆転勝訴

原審の「平均功績倍率×1.5」基準が2審で排斥された裁判

■判示内容
・功労加算は極めて特殊な事情がある場合に限り考慮すべき
⇒特殊な事情があれば平均功績倍率に加え功労加算を考慮するという点を
裁判所が認めた格好

・最終報酬月額には既に「功労加算」が反映されていると考えられる
⇒よって平均功績倍率をさらに1.5倍等する必要はない

・平均功績倍率を超える数値を採用する類似法人があっても合理的
⇒平均値を用いることの合理性を支持しており類似法人に平均値を超える
倍率を採用する法人がいても問題はない






8.近年は消費税も税務調査の重点項目に

消費税に係る税務調査は法人税の調査に付随して行われていたが、
近年は消費税をメインとする税務調査も行われている

主な調査箇所の
・個別対応方式を採用している企業に対し、
「課のみ」、「非のみ」、「共通」の区分が適否であるか。
・課税仕入れにかかる取引契約書等の内容より用途区分に誤りがあるか否か。




将来CF等の「割引率」の決定

(1)固定資産の減損損失の「測定」における使用価値の算定
・将来CFが見積値から乖離するリスクについて
 ⇒将来CFで調整か割引率で調整かの両方の方法あり
 ⇒将来CFが税前概念なので割引率も税前概念で
 将来CFで調整:国債利回り
 割引率で調整 :以下を総合判断して採用
   ①資産に固有の収益率(社内ハードルレート等)
   ②資本コスト(WACC)
   ③市場平均の収益率(類似物件の還元利回り等から推計)
   ④ノンリコースローンの借入利率

(2)リース料総額の現在価値の算定
 「貸手の計算利子率」を知りうる場合⇒当該利率
 「貸手の計算利子率」を知りえない場合
 ⇒借手の追加借入に適用される利率
  ※新規長期借入の利率、リース期間と同一期間のスワップ・レートに借手の信用スプレッドを加えたレート

(3)資産除去債務の算定
 ・貨幣の時間価値を反映した無リスクの税引前の利率
 ※将来CFが発生するまでの期間の国債利回り等。

(4)退職給付債務
・期末における安全性の高い債券の利回り
・退職給付支払ごとの支払見込期間を反映させる
・各事業年度で見直し

(5)貸倒懸念債券の貸倒見積高
 ・債券の発生当初の約定利子率または取得当初の実効利子率
 ・実効利子率=“CFの現在価値=債権の取得価額”となる利率





10.あずさ、新日本、トーマツ、PwCあらたの4大法人が、監査先企業の取引状況をオンラインで確認するシステムを共同開発(4法人で日本の上場企業約3600社の7割超の監査を担当)。


・あずさ、新日本、トーマツ、PwCあらたの4大法人が、監査先企業の取引状況をオンラインで確認するシステムを共同開発(4法人で日本の上場企業約3600社の7割超の監査を担当)。

・日本の大手法人が監査業務の共通化に踏み切るのは初めてで、世界でも例がない試み。

・確認を郵送ではなく、企業が金額をオンライン入力する方法を検討。監査する側、される側ともに決算に関わる負担を軽くする。

・重要だが、差別化の必要がない作業は業界で共通化し、各法人が不正会計のチェックや仮想通貨など新分野への対応に経営資源を集中させる狙いがある。

・今後、共同出資会社の設立などを経て、早ければ2年後をメドにシステムを稼働させる。

・共同システム稼働後は、中小監査法人や個人の会計事務所の参加も想定。





11.従業員持株会

1.概要
・従業員から会員を募り、給与から天引きされた拠出金によって株式を共同購入
・会員の拠出額に応じて持分を配分

2.運営上の留意点
(1)設立時期
株価が低い上場準備の初期段階で設立することが有利

(2)運営方式
多くは証券会社に委託(組合方式)

(3)会員の範囲
自社従業員○、子会社(50%超保有)従業員○
関連会社×、役員×

(4)株式の割当て
上場前は、既存株主からの移動、第三者割当増資などの資本政策を考慮し、計画的に行う必要がある。

(5)非弾力性
ストックオプションのような個人の貢献度に応じた弾力的な調整ができない。

(6)金商法との関連
株主数を一人株主とするため、以下の要件が必要。
・株主名簿に持株会の理事長名義で登録
・議決権行使は持株会の理事長が行使
・配当金は持株会でプールし、株式購入資金として再投資する仕組みとする。

(7)株価
一般的に、未上場会社の従業員持株会での株式移動価格は、
配当還元価額方式あるいは他の方式との併用による低廉な株価を採用。























◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

決算早期化・開示支援、株価算定・財務調査、IPOのための内部統制支援
ワンストップでサービスを提供  

2018年5月12日土曜日

5/11 勉強会:有価証券報告書の作成上の留意点、仮想通貨の期末評価について 他

1.有価証券報告書作成上の留意点(H30年3月期提出用)

■経営者による財政状態、経営成績及びCFの状況の分析
・「業績等の概要」、「生産、受注及び販売の状況」を「財政状態、経営成績及びCFの状況の分析」に統合し、
「経営者による財政状態、経営成績及びCFの状況」の分析の記載を求める
⇒経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容を具体的に、かつ分かり易く記載することを求める

■新株予約権等の状況
・「新株予約権等の状況」、「ライツプランの内容」、「SO制度の内容」を「新株予約権等の状況」に統合




2.留保金課税の適用の有無は客観的に判断

■裁判:特定同族会社の留保金課税の適用をめぐり納税者側が敗訴(東京地裁、2018年1月)
・原告法人:パチンコ店経営の有限会社(親法人による100%支配/親法人は代表とその親族合計3名で支配)
・修正申告にを行った際に課税当局から特定同族会社の留保金課税制度適用による更正処分等を受けた
⇒修正申告の内容:消費税減額、法人税増額(原価の過大計上を修正)
・審査請求を行ったものの、国税不服審判所が課税当局を支持したことから原告は留保金課税の取り消しを求める訴訟を提起

■原告の主張⇒留保金課税の適用は違法であると主張
・事業年度の時点では増加所得の認識は不可能
・修正による増加所得が「留保した金額」に該当するとはいえない

■地裁の判断
・修正により増加した所得が留保した金額に当たるか否か:客観的に判断すべき
⇒以下のような項目を考慮する余地はなく、機械的に判断すべき
・増加した所得金額に相当する現金預金は同族会社が現実に保有しているかどうか
・所得金額が増加した経緯
・発生を認識できる状況だったかどうか




3.先代以外の株主のみの贈与等に承継税制

■新事業承継税制
・株式を贈与等する者の中に先代経営者がいない場合、新事業承継税制は適用されない
・ただし先代経営者から贈与等が行われた後に、先代経営者以外の株主のみから後継者への贈与等が行われた場合は、新事業承継税制を適用できる

■具体例
・父親が先代経営者で後継者は3人(長男、長女、次男)
・まず長男と長女が父親から株式の贈与を受ける
⇒第一種経営承継贈与が適用可
・その後、長男と次男が父親以外の株主(例えば母親)から株式の贈与を受ける
⇒第二種経営承継贈与が適用可
※先代経営者でない母親からの贈与が先に行われた場合は、新事業承継税制の適用不可




4.収支内訳書の虚偽記載と「特段の行動」

【重加算税とは】
・不正行為による罰金のような行政処分(最大で55%の税率による課税)

【国税不服審判所の異なる裁決】
・H24年5月裁決 ⇒ 適当に減額した収支内訳書+過少に所得申告=重加算税
・H27年7月裁決 ⇒ 根拠のない金額を記載した収支内訳書+過少に所得申告=重加算税とならず
収支内訳書の虚偽記載を「特段の行動」と評価できないという理由から
「特段の行動」とは・・
・当初から所得を過少に申告する事を意図し、その意図を外部からも伺い得る行為、行動の事

【H29年9月裁決事例】
(1)十数年という長期にわたって過少申告を行っていた
(2)所得金額を調整するといった周到な準備を行っていた
⇒「特段の行動」の認定についての明確な言及はしていない・・




5.タックスヘイブン対策税制関連のQ&Aについて

・タックスヘイブン対策税制は、平成29年度税制改正において、その制度の基本構造を含め大幅に変更された。
・改正による新制度は、原則として外国関係会社の平成30年4月以後に開始する事業年度に係る課税対象金額等について適用される。
・重要な改正点について国税庁よりQ&Aが公表された。

■主な改正点
・トリガー税率での判断廃止(租税負担割合20%での判断)
→改正前は、外国子会社の租税負担割合が20%以上であれば、実体がない場合でも、合算課税の対象から除外されており、たとえ実体があっても20%未満であれば合算課税の対象とされていた。(アンダーインクルージョンの問題)

・経済活動基準による判断
以下の基準により、経済活動の有無を判断する。
1事業基準(主たる事業が株式の保有、IPの提供等でないこと)
2実体基準(本店所在地国で事務所を有していること)
3管理支配基準(本店所在地国で)
4所在地国基準(主として所在地国で事業を行っていること)

・受動的所得(利子、配当、使用料等)しか得ていない、ペーパーカンパニー、キャッシュボックス、ブラックリストカンパニー等に該当する場合は、合算課税の対象となる。(租税負担割合が30%未満の足切基準あり)





6.電子申告の義務化についてよくある質問(国税庁)

【対象税目関係】
Q 電子申告の義務化は、どの税目が対象となるか
A  (1)法人税及び地方法人税(地方税の法人住民税及び法人事業税も義務化)
   (2)消費税及び地方消費税

【対象法人関係】
Q 電子申告の義務化の対象法人は
A (1)法人税及び地方法人税の場合
  内国法人のうち
  ⇒事業年度開始の時において資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人
  ⇒相互会社、投資法人及び特定目的会社
  (2)消費税及び地方消費税の場合
  ⇒(1)に掲げる法人に加え、国及び地方公共団体
※内国法人には公共法人(消費税及び地方消費税のみ)・公共法人等・共同組合等を含む。人格のない社団等及び外国法人は資本金の額又は出資金の額の有無にかかわらず電子申告の義務化対象法人に含まれない。





7.東京高裁 役員退職金の過大判定で国が逆転勝訴

■経緯
<東京地裁>
死亡退職した役員に支給した退職給与のうち過大な金額として損金不算入となる部分を巡り争われた事件について,国側が算定した平均功績倍率を1.5倍した倍率を基に算定した金額までを相当な額として損金算入を認めていた
⇒判決文ではその“1.5倍”という数値の具体的な算定根拠までは示されておらず国が控訴していた

■今回
<国側の主張>
当事者間における主張ではないにもかかわらず,「平均功績倍率×1.5」という基準を唐突に挙げ,その算定根拠といった理由は示していない。
1.5倍という数値が独り歩きし,今後,「平均功績倍率×1.5」の数値を基に役員退職給与を支給するということになりかねない

<納税者の主張>
そもそも平均功績倍率は法令で定めたものではなく,数学的根拠のない倍半基準を比準法人の選定に利用することなどに鑑みれば,平均値を参考に一定の基準を設けることは法解釈として許容される。

※倍半基準
役員給与や役員退職金についてその適正額算定の際に参考とされる納税者の同業類似法人を抽出する基準の
1つ。納税者の売上金額等の2倍以下0.5倍以上の範囲の法人を抽出する。

<東京高裁>
国側の主張を認め地裁判決を退けた





8.仮想通貨 評価損は原則損金不算入

■仮想通貨の期末処理
「活発な市場」が存在するか否かに応じて処理する。

「活発な市場」とは、継続的に価格情報が提供される仮想通貨取引所等において、
十分な数量及び頻度で取引が行われているところ

(1)活発な市場が存在する仮想通貨
・市場価格をBS価額とする
・簿価との差額は当期の損益として処理
(2)活発な市場が存在しない仮想通貨
・取得価額をBS価額とする
ただし処分見込価額が取得価額を下回る場合は、処分見込価額をBS価額とする
・取得価額との差額は当期の損失として処理

■評価損益について
税務上、資産の評価替えに伴う評価損益は、原則益金算入及び損金算入はできない。
ただし物損等・法的整理の事実など特別な事業がある場合、評価損は損金算入可能。

仮想通貨の場合、
著しい下落は物損等の事実に該当しない ⇒ 評価損は損金不算入
法的整理の事実に該当 ⇒ 評価損は損金算入が認められる可能性あり



分配可能額を超えた配当金

・アルメディオ(東証2部上場)は2017年3月期の期末配当に関する社内調査委員会、第三者委員会の設置を公表
・2017年6月の総会で2.5円/株の配当を決議&実行
 ⇒分配可能額を超えていた
 ⇒自己株式の減算の漏れ
・分配可能額不足は既に回復できているので、株主には返還を求めない




10.仮想通貨の期末評価について

■評価額
(1)活発な市場が存在する:市場価格に基づく価格
(2)活発な市場が存在しない:取得価額のまま
※処分見込額<取得価額の場合は処分見込額
■補足
活発な市場の判断基準
⇒継続的に価格情報が提供される程度に取引所において十分な数量および頻度で取引が行われる
※通貨毎の実態で判断
⇒合理的な範囲で入手できる価格情報が取引所毎に著しく異なる場や、売手と買手の希望価格に大きな差がある場合は
活発な市場とはいえない




11.有価証券報告書の作成上の留意点(平成30年3月期)

■平成30年3月31日以後に終了する事業年度に係る有報について項目改正
(1)「業績等の概要」および「生産、受注及び販売の状況」を「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に統合
 その上で「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の記載を求める
・経営者視点による経営成績等に関する分析を具体的に、かつ、わかりやすく記載
・資本の流動性に係る情報についても記載する
(例:重要な資本的支出の予定およびその資金調達減等)

(2)「新株予約権等の状況」、「ライツプランの内容」および「SO制度の内容」を「新株予約権等の状況」に統合
・新株予約権証券に関する記載をする

(3)大株主の状況
・発行済株式(自己株式を除く)の総数に対する所有株式の割合を記載する
 ※事業報告と統一
・議決権行使日現在の「大株主の状況」について記載
 ※難しい場合は、当事業年度末現在について記載

(4)税効果会計関連
・BS表示について、繰延税金資産=投資その他の資産、繰延税金負債=固定負債へ
・注記が追加(評価性引当額の内訳に関する情報、税務上の繰欠に関する情報)
※平成30年4月1日以後開始する事業年度の期首より適用




12決算確定業務完了前における財務諸表の修正

会計監査で発見された誤謬の取扱

・修正の要否だけでなく、財務報告に係る内部統制への影響も検討する必要がある

・誤謬が内部統制の不備にあたるか、内部統制で防止/発見できなかったのか観点から検討
 ⇒提出後に会社が予定していた内部統制で防止/発見できる状況であったのかの検討が必要
 ⇒決算確定作業と同時に会計監査が行われることも増えてきている。

・内部統制監査上、開示すべき重要な不備に該当するか金額的・質的重要性の観点から判断する。
 ⇒加えて、誤謬を生じさせるに至った背景や内部統制上の問題点も含めて判断する



13.中小企業向け特例の所得制限

■概要
2019年4月1日以後開始事業年度から、中小企業向けの租税特別措置について、
以下の条件を満たす場合は適用しない(適用除外事業者)。

■条件
当該事業年度開始の日前3年以内に終了した、
各事業年度の"所得金額の平均金額が15億円を超える法人"
※設立後、3年を経過していない法人のうち、合併等で設立された場合は、
 被合併法人等の所得金額等を合併法人等の基準年度の所得金額に加算する措置手当あり

■対象となる特別措置
以下の中小企業の優遇措置のうち(5)~(13)が該当。

・中小法人等(法人税法上)に適用される特例優遇措置
(1)特定同族会社の特別税率(留保金課税)
(2)欠損金の控除限度額
(3)欠損金の繰戻しによる還付制度
(4)交際費等の損金不算入制度における定額控除限度額
(5)軽減税率の特例
(6)貸倒引当金の法定繰入率の選択

・中小企業者(租税特別措置法上)に適用される特例優遇措置
(7)少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
(8)中小企業経営強化税制
(9)中小企業投資促進税制
(10)商業・サービス業・農林水産業活性化税制
(11)中小企業技術基盤強化税制(グリーン投資減税)
(12)環境関連投資促進税制(グリーン投資減税)
(13)所得拡大促進税制






14.仮想通貨の会計処理

■概要
2019年4月1日以後開始事業年度から、中小企業向けの租税特別措置について、
以下の条件を満たす場合は適用しない(適用除外事業者)。

■条件
当該事業年度開始の日前3年以内に終了した、
各事業年度の"所得金額の平均金額が15億円を超える法人"
※設立後、3年を経過していない法人のうち、合併等で設立された場合は、
 被合併法人等の所得金額等を合併法人等の基準年度の所得金額に加算する措置手当あり

■対象となる特別措置
以下の中小企業の優遇措置のうち(5)~(13)が該当。

・中小法人等(法人税法上)に適用される特例優遇措置
(1)特定同族会社の特別税率(留保金課税)
(2)欠損金の控除限度額
(3)欠損金の繰戻しによる還付制度
(4)交際費等の損金不算入制度における定額控除限度額
(5)軽減税率の特例
(6)貸倒引当金の法定繰入率の選択

・中小企業者(租税特別措置法上)に適用される特例優遇措置
(7)少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
(8)中小企業経営強化税制
(9)中小企業投資促進税制
(10)商業・サービス業・農林水産業活性化税制
(11)中小企業技術基盤強化税制(グリーン投資減税)
(12)環境関連投資促進税制(グリーン投資減税)
(13)所得拡大促進税制



15.法人税特別措置の実務ポイント(所得拡大・情報連携投資等の促進など)

■概要
平成30年度税制改正では、企業の人材や設備への投資を促進させるために、賃上げ・投資促進税制、事業承継税制の拡充等が公布された。

■所得拡大促進税制の改正(賃上げ・投資促進税制)
(1)大企業
・設備投資要件(国内設備投資額≧減価償却費の総額×90%)等を新たに加え、控除額・控除限度額が拡充された上に、人材投資を行った企業はさらに控除額を上乗せできる。

(2)中小企業
・賃上げ等の要件が見直され、控除額・控除限度額が拡充された上に、人材投資もしくは経営力向上が認められた企業については、控除額を上乗せできる。

■生産性向上特別措置法、改正産業競争力強化法関連の政策税制(投資減税措置)
(1)情報連携投資等促進税制の創設
・特定ソフトウェアを新設または増設する場合、当該特定ソフトウェアと、共に取得される機械装置・器具備品を事業の用に供したときは、特別償却(30%)と税額控除(3%、賃上げを伴う場合は5%)との選択適用が認められる。

(2)生産性関連の減税措置の適用要件の見直し
・適用年度の所得金額>前年度の所得金額のとき、下記のいずれかを満たさない限り、減税措置を受けられない。→賃上げ要件 :継続雇用者給与等支給額>継続雇用者比較給与等支給額
   設備投資要件:国内設備投資額>減価償却費の総額×10%
・対象措置は「研究開発税制」「情報連携投資等促進税制」「地域未来投資促進税制」の3つ

(3)特別事業再編を行う法人の株式対価TOBと株主の課税繰延
・改正産業競争力強化法の特別事業再編計画の認定を受けた法人が株式を対価とするTOB(株式公開買付)を行った場合、被買収会社の株主に対する株式譲渡損益課税の繰延措置が受けられる。







16.ESG投資が世界的に拡大の流れで、世界の残高は16年末時点で23兆ドル(約2500兆円)


・日本の上場企業の株主優待制度でも、相当額を公益法人などに寄付する社会貢献型を選べる企業が126社。前年比約2割増で、5年前に比べると7割増。


・メニコン:絶滅が危惧されるトキの保護基金への寄付。
・日本ペイントホールディングス:卓球台を全国の幼稚園・保育園に贈る(同社は卓球の実業団チームも保有)。
・バンダイナムコホールディングス:東日本大震災で被災した子供への寄付プログラムを選べる。株主からの寄付と同額を会社側が拠出し、合計1000万円以上にして寄付。



17.危険なIPO銘柄を見極めるポイント

1.大型株のIPOではないか
大型株のIPOは、危険というよりも、競合他社との比較ですでにある程度株価が読めるため、小型株のように大化けはしない傾向

2.オールドエコノミーの会社でないか
オールドエコノミー(※)の会社である事の多い1-2部は公募割れの実績も高い傾向
(※)昔からのビジネスモデル

3.大株主がベンチャーキャピタルばかり
公募価格から1.5倍でロックアップが解除される条項もあり、初値が高いといきなり大株主の売りがでる可能性あり

4.再上場会社でないか
過去の株価、同業他社との比較など株価算定がやりやすいため、大化けする可能性は少ない

5.赤字上場でないか?下方修正リスクは?
上場時人気化する銘柄も多いが、その後株価は下落する株が多い





















◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

決算早期化・開示支援、株価算定・財務調査、IPOのための内部統制支援
ワンストップでサービスを提供