2013年10月1日火曜日

9/27 勉強会:消費税:予約販売に係る経過措置 ほか

1.粉飾決算をめぐり取締役に賠償命令命じる判決相次ぐ

~上場企業が粉飾公表後に上場廃止・倒産(株価ゼロ)
⇒株主が、粉飾に関わった取締役に損害賠償請求した事例

①シニアコミュケーション社の事例

原告株主の株式取得価格1,600万円のうち、244万円が損害賠償額と認められた
←粉飾公表後の株価下落分のみを損失と認定

②ニイウスコー社の事例

原告株主の株式取得価格15,000万円のすべてが損害賠償額と認められた
←粉飾していた場合としていなかった場合の、株主の財産状態の差が損失
←粉飾していなかったら元々大幅な債務超過であり、株主は投資していなかった
←粉飾とは無関係要因による市場価格の下落は認められない


2.8%引上げ時の短期前払費用取扱いの変更


■前提
・短期前払費用の適用を行っている(翌期の費用を当期支払い時の費用とする)
→原則:その費用に係る課税仕入れは、支出した日の属する課税期間のものとして処理する

■問題点
消費税増税時に問題が生じる
→増税前の決算期において、増税後の費用を短期前払費用の適用をした場合、仕入税額控除は8%とできない

■処理方法は2つ
①平成263月期において5%で仕入税額控除を行い、平成273月期に支払対価の返還を受けたものとした上で、改めて8%で仕入税額控除をする

8%の消費税分を「仮払金」として翌期に繰り延べ、平成273月期において8%の税率により仕入税額控除をする


3.消費税:予約販売に係る経過措置

■書籍等の予約販売に係る経過措置
①平成25930日までに契約
②施行日(平成2641日)前に対価の支払いが完了
しているもので、施行日以後販売されるものについては旧税率を適用する。

【例】
25927日に月刊「相撲」の年間購読(2511月号~2610月号)契約を締結
251015日に年間購読料を支払
2610月号までは旧税率を適用

■書籍のデジタル版について
デジタル版は「書籍等」ではなく、「役務の提供」に該当するため経過措置の適用はない。


4.【印紙税】 間接税関係の改正について

金銭または有価証券の受取書(いわゆる領収書)の作成に課されている印紙税の免税点が引き上げられる。
 
 現状 
  3万円未満
 
 改正後(H26.4.1~)
  5万円未満


5.リーマン破綻処理と専門家の報酬


・公認会計士と弁護士で総額3,000億円

・債権者への支払額の4から9%が相場


6.マネジメント・アプローチ

・セグメント開示する場合に、最高経営意思決定機関が用いる区分方法を使う、ということ。
・ソニーで例えると、音楽やゲームと言った事業で分けるのか、日本、北米と行った地域で分けるのか、という判断に、経営会議で利用している区分を活用するという感じ。

 ⇒「経営者目線で会社をみることができる」と投資家からは評価されている。


7.不採算事業の対処法(成長させるか/撤退するか)

①「不採算」の認識
・事業損益が赤字
 ⇒「●期連続赤字は撤退」のようなルールを作る
・投資採算性が低い
 ⇒事業損益が黒字でも採算が悪い事業
 ⇒もっと利益率が良い事業に投資した方がいい(機会損失)
・市場ポジションが悪い
 ⇒今後、競争環境を生き残っていけない

②処置
・経営改善、グループ内再編、清算、売却
・他社との提携(資本提携、事業提携)

③他社と事業統合 ⇒ 「経営権の希薄化」の効果あり
・事業は継続しつつも自社は経営関与を後退させていく


8.税務調査後の修正申告


■法人税等の修正申告に関する会計処理(表示方法について)

・税率の誤り、加減算の誤り、法令の適用誤り
⇒誤謬になる
①表示科目の額を修正
②注記をする

・税務当局との見解の相違によるもの
⇒誤謬にはならない
「法人税等追徴税額」、「法人税等還付税額」で表示する
※金額の重要性が乏しい場合は、
「法人税、住民税及び事業税」に含めて表示することができる


9.事業統合プロセスの要点


(1)統合比率
複数の事業者が持分を有する=持分比率=統合比率
事業価値で評価されるが、相手の評価だけではなく、自社の拠出する価値についても調査し、両社合意の基で決定

(2)交渉相手
往々にして同業者同士であり、危機感を共有しているがゆえに穏やかにスタートするが、統合比率や条件交渉の場面ではシビアな局面もある。

(3)カーブアウト
事業を構成する経営資源を切り出す作業のこと、
切り出す経営資源の範囲の画定と合わせて移転の手法も検討する必要がある。

(4)PMIPost Merger Integration=買収後の既存事業との統合作業)作業の前倒し統合後の事業を引き続き当時者双方が運営責任を負うため、PMIはある程度前倒しで行われる。



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