2013年9月17日火曜日

9/13 勉強会:指定日前の実務で消費税率が変わる!ほか

税理士の妻への青専給与、適正額の算定基準は?

個人事業主が生計一親族に支払う給与の取扱


原則:個人事業主の経費に出来ない

例外:青色申告を提出していて、一定要件を満たせば経費にできる

要件:
労務に従事した期間、労務の性質等に対して適正額
   ②事前に給与金額等の届出を出し、
    届出金額以内の支払いであること
   ③原則、年間6月超の期間、親族が労務に従事

今回の事例

・税理士業を営む個人が、妻に、他の従業員の2倍以上の給与を支払った
労務に従事した期間、労務の性質等に対して適正額かどうか?

【適正額の算定】
使用人給与批准方式
・パソコンの稼働時間から労務時間を算定
・労務の提供程度・質が最も近い従業員の給与水準と比較
類似同業専従者給与比準方式

適性額は、いずれか高い金額
今回の事例では、を使用、妻への給与が適正額を上回ったため、

上回った部分は必要経費不算入


2.指定日前の実務で消費税率が変わる!


消費税率が何%か?

■Q1
その業務が工事の請負等(
1)に該当しますか?
 
該当する…Q2
 ②該当しない資産の譲渡、役務の提供があった日の消費税率を適用

■Q2
その工事の請負等の引渡し日はいつですか?
 ①平成2641日以後…Q3
 ②それ以前5%

■Q3
その工事の請負等の契約日はいつですか?
 ①平成25930日以前5%(経過措置の強制適用)(2)
 ②平成25101日以後8%

1工事の請負等
 ①工事の請負 資産の貸付 役務の提供 予約販売に係る書籍等
 ⑤通信販売 有料老人ホームに係る終身入居契約(一時金)

2平成25年101日以後に契約内容に変更があった場合
 変更後の増額部分については経過措置の適用なし(8%)

3経過措置の適用を受ける場合は相手方に通知が必要
 請求書などに「経過措置の適用を受ける」旨の記載をすること


3.溶接等の請負契約、役務の提供は日々完了

Q:物の引渡しを要しない請負契約による報酬請求権は、
  いつ発生するのか
A:審判所の判断
工事代金を請求した時に報酬請求権が確定するのではなく、
 日々の役務の提供が完了するごとに発生、確定すると判断した

事例
・X(個人事業主)はB社から溶接工事を請け負った
・Yは消費税の納税義務者(簡易課税)である
・Y社はXに支払う報酬を1時間当たりの単価に、
 前月16日から当月15日までの期間における作業時間数に乗じて算出
報酬=単価/h×作業時間数
・既に完了した溶接等の報酬については、
 Xはいつでも支払を求めることができた

主張(売上計上基準)
X=役務完了した日の属する分
原処分庁=請求したときに売上が確定

結論
報酬請求権の収入とすべき時期は、
その役務の提供が完了した日の属する年分
毎年11日から1231日までになされた役務の提供に係る報酬となる


4.消費税:工事の請負等に関する経過措置まとめ


適用は強制
要件に該当する場合は必ず適用しなければならない。

契約書作成は要件とされていない
「当事者間で合意のあった日」が契約日となるため口頭の合意でもOK

着手日について
H25.9.30
以前に契約したもので、引渡しがH26.4.1以後になるものであれば
着手日を問わず適用がある。

追加工事
H25.10.1
以後に対価の額が増額された場合、増額部分には経過措置の適用はない。


税理士報酬と経過措置
・申告書作成業務
注文をうけ、完成までに長期間を要し、
 かつ目的物を一括して引き渡すものであるため適用がある。
・相談業務
目的物を一括して引き渡すものでないため適用なし。

工事進行基準
・経過措置の適用があるものにつき、工事進行基準を適用する場合、
 計上時期に関わらず適用税率は5%となる。

5.【法人税】勘定科目別税務の着眼点(引当金)

貸倒引当金

・個別貸引に関して、要件充足が法的手続きによらない場合は
 『事業好転の見通しが無いため回収不能』という事実認定の余地が介在する。
 債務者の決算書入手等、ハードルが高い。
・資本金1億円超の会社は、経過措置による繰入限度額の縮減に注意が必要。

出向負担金に含まれる退職給付引当金
・出向先法人から、出向者の退職給付引当金相当も含めて、
 出向元法人に支払われるケースが多い。
・この場合出向元法人における退職給付引当金繰入額は損金不算入になる一方、
 出向負担金に含んで受け取る退職給付引当金相当は益金になるため、
 出向元法人において課税が先行する。
出向先法人では、出向負担金に含めて支払われる退職給付引当金相当も
 損金になるため、両社を通算すれば相殺される。

6.能力不足の取締役の解任と正当な理由

取締役の解任は自由(総会決議)
・正当な理由あり
損害賠償できない
・正当な理由なし
損害賠償できる(残任期間中の報酬)
・正当な理由は主観的理由では足りず、
 客観的合理的理由(法令・定款違反、心身故障、職務への著しい不適任)


7.中国ではもはやBig4は最大規模ではない

・中国では、会計事務所のパートナーに一定の制限があり、
 Big4の規模拡大には制約がある

・現在は「RuihuaCPA」が3位でE&YKPMGより上位

Big4のシェアは200755%
現在の34%に激減。

8.今後、M&Aで分析が重要になる項目

ネットデット(純有利子負債)・有利子負債-現預金

デット・ライク・アイテム
・価値算定に含まれない営業外の将来キャッシュ・アウト項目
 価値算定にあたり売主が負担する項目(有利子負債以外)

キャッシュ・ライク・アイテム
・事業価値の創出に貢献しておらず、
 処分することにより収入が見込める現金以外の項目

(
)退職給付債務の未積立債務/デリバティブ評価損益/負債性引当金
投資/債権の流動/税務調査による追徴課税等


 9事業譲渡による再生と繰越欠損金の活用

Q以下のような場合、法人税負担を軽減する方法はないか?
 事業譲渡にあたり「多額の債務超過+青色欠損金期限切れ」により
 多額の譲渡益が見込まれる場合

 A解散したあとに事業譲渡する
 →解散した場合で残余財産がないと見込まれるときは
 期限切れ欠損金の損金算入が可能(法法59
 →これと事業譲渡益を相殺する


10.経理・財務パーソンの生き残る道

今後の経理・財務パーソンの生き残る道は大きく分けて2

専門性の追求
・会計原則、財務報告、税務
・資金調達、運用、内部統制
高い専門性があっても、分かり易い説明をすることが重要

事業のファイナンス
・事業の意思決定チームメンバーとして参画する
1円単位の正確な数字が求められるというよりも、
 概算で予測の数字を提案することが求められる
経理・財務を含む管理部門全般の経験を積むことが必要


11.共同持株会社設立の留意点

(1)提出書類関係(上場企業の場合)
・上場廃止手続きと新設の持株会社となる会社の上場申請
(テクニカル上場申請)
・有価証券届出書等の作成

(2)税務・その他
・不動産の移転を伴う場合は移転登記に係る登録免許税・不動産取得税
・持株会社設立後の運転資金の手当


12.絶好調続く軽自動車に高まる優遇見直し圧力 

・自動車税の優遇措置を見直すようにという圧力
①税収確保
②非関税障壁の撤廃⇒TPP参加に伴って見直しか?


13.猛暑が思わぬ追い風 ネットスーパーに光

・ネットスーパー事業は各社軒並み赤字
・生鮮食品は、実際に店頭で手にとって買いたい人が多い
・今年は猛暑の影響で、7-8月は前年同期比2割増
・このまま黒字化か?
・ネットスーパーは悪天候時に利用が急増し、
 稼働が安定しないため、黒字化が難しい



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