2013年3月10日日曜日

3/8 勉強会:【法人税】復興特別所得税の控除 法人税からの控除は加算税に ほか


1.新事業承継税制、現行制度適用者も対象


(事業承継税制)
・非上場会社のオーナー後継者、株式取得にかかる相続税/贈与税の
 80%が納税猶予
※「一定の要件」をクリアし続けることが条件

(25年度税制改正)
・27年1月1日以後、「一定の要件」が緩和される
→26年12月31日以前からの制度適用者も対象



教育資金贈与、学習塾等は500万円限度

(非課税制度を適用できる場合)
・信託銀行を経由して、信託受益権を取得した場合
・「書面による贈与」で取得した金銭を、銀行等に預け入れた場合
・「書面による贈与」で取得した金銭を、証券会社等で運用した場合

※「書面による贈与」…日記など、紙に贈与の意思が書かれていればOK

(教育資金の範囲)
・学習塾、ピアノ教室 → 500万円非課税枠(学校等以外)
・通学定期代、下宿代 → 非課税対象外
※具体的にはこれから


3.契約書を巡る税務トラブル

(事例)納税者Aは、税務署との税金減額交渉を税理士Bへ依頼

業務委託契約には「本件税務調査において、
税務署と交渉し、税務署の指摘する税額の減額を図る」と記載有り。
税理士Bは税務署と交渉したが、納税者の主張を認めなかった。
税理士Bは審判所で争うという手法を考案
納税者Aの主張が認められた
納税者Aは契約書に審判所への審査請求に関しては記載がないため、
業務委託契約を解除した
税理士Bが報酬の支払いを求めて訴訟
■結論
契約書に明確な記載が必要となる


4.外国法人株主からの自己株式の取得

■質問
①当社の株主に外国法人A社がいる。
②A社から当社の自己株式を取得した。
③A社の日本における課税関係はどうなるか?

■回答
⇒自己株式の買取対価は、みなし配当部分と株式譲渡損益部分に区分される。
①みなし配当部分
⇒20%の源泉徴収で終了
②譲渡損益部分
⇒基本的には日本で課税されない。ただし、以下の場合等は、課税される。
 ・外国法人が同一銘柄を集めて、内国法人に対して譲渡した場合
 ・不動産関連法人の株式の譲渡 等々

※譲渡損失が発生してもみなし配当部分との相殺はできず、
みなし配当は20%源泉徴収されるので注意


5.相続税の取得費加算特例Q&A(所得税)

■相続税の取得費加算特例とは
 Aさんは、父親Bさんが亡くなったので土地Cを相続により取得しました。
 その時、相続税100万円を支払っています。
 その後、Aさんは土地CをEさんに1億円で譲渡しました。
 Aさんの譲渡益は??

 1億円 - (7000万円★ + 100万円※) = 2900万円

 ★Bさんが土地Cを買ったときの価額
 ※Aさんが支払った相続税を土地Cの取得価額に加算することができます。

■土地と建物を同時に譲渡した場合
 Aさんは、父親Bさんが亡くなったので土地Cと建物Dを相続により取得しました。
 その時、相続税2300万円(土地C2000万円、建物D300万円)を支払っています。
 その後、Aさんは土地Cと建物DをEさんに8000万円で譲渡しました。
 Aさんの譲渡益は??

 ①土地C 譲渡価額6000万円 取得費300万円 加算される相続税2000万円
 → 6000万円 - (300万円 + 2000万円) = 3700万円

 ②建物D 譲渡価額2000万円 取得費2500万円(未償却残高) 加算される相続税
300万円
 → 2000万円 - (2500万円 + 0 ) = △500万円
 ⇒加算できる相続税は譲渡益の範囲内となります。
 ⇒特例の適用が受けられなかった金額300万円を
      土地Cの取得価額に加算することはできません。

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6.【法人税】復興特別所得税の控除 法人税からの控除は加算税に


・H25.1.1から課される復興特別所得税については、
復興特別法人税から税額控除できる。
・報酬等から源泉徴収される税額の内訳は源泉徴収義務者から示されないので、
源泉徴収された税額を所得税と復興特別所得税に分けて集計し、
それぞれ法人税と復興特別法人税から控除する必要がある。
・誤って法人税から復興特別所得税相当を控除した場合には
法人税額が過少となり、過少申告加算税の対象となる点に注意が必要である。


【専業主婦と上場株式等の配当所得について】

■源泉徴収選択口座内上場株式等の配当

①原則として⇒申告不要(課税関係完結)
②配当控除を受ける場合⇒総合課税
③上場株式等の譲渡損失と通算する場合⇒申告分離課税

■申告分離課税を選択する場合の注意点
⇒損益通算と繰越控除では合計所得金額が異なる

<設例>
※上場配当40万、譲渡損失10万とする

ケース1 上場株式等の譲渡損失が本年計上されたものである場合
(損益通算を適用)
 ⇒課税標準及び合計所得金額が30万となり配偶者控除可

ケース2 上場株式等の譲渡損失が前年以前3年内に生じたものである場合
(繰越控除適用)
 ⇒課税標準は30万となるが、合計所得金額が40万となり配偶者控除不可

※配偶者控除・・・合計所得金額38万以下の配偶者について適用
※合計所得金額・・・損失の繰越控除を適用する前の課税標準の合計額をいう

ケース2の場合は申告不要を選択して配偶者控除を採る方が有利となる。

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8.監査報酬の減少

監査時間が4.7%増加したのに監査報酬は3.1%下落。
ダンピングの影響が大きい。

米国では、06年度から09年度は下落傾向にあったが、
10年度、11年度には増加に転じた。

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9.アウトソーシングの新潮流

■財務・経理業務を海外へアウトソーシングする際の検討事項について

①業務の標準化ができている企業
⇒早期にコスト削減可能。
⇒ただし、政治的(反日デモなど)な影響を受けるリスクを検討する。

②業務の標準化ができていない企業
⇒業務の標準化を行ってアウトソーシングしやすい状態にする。
⇒この際、どのようにすれば部門間でのやりとりがスムーズに進むかを検討する。

③海外へのアウトソーシングをやめる場合
⇒国内でも人件費の安い地方を選択することが求められる。
⇒ただし、あえて都市部を選択することにより、
 雇用延長対象社員の活用・ワークシェアリングを活用できないかを検討する。

10.アベノミクスと日本の株式市場 岡三証券アナリストレポート

「3本の矢」
①大胆な金融政策
→金融緩和を示唆→円安
→2%のインフレターゲットを設定→株高
②機動的な財政政策
③成長戦略

○実体経済の面では顕在化していない
・リーマンショックや大震災、洪水といった想定外の事象が通常に戻る局面で
 統計上は良く見えるケースも
○円安になれば価格競争力は高まるが≠製品・サービスの付加価値が高まる

株式市場においては、円安は単に「一時的なボーナス」ととらえている印象もある
利益とキャッシュを得た企業は、次の成長のための投資にどう利用するのかが重要
マクロ経済の環境依存ではなく、自らの企業の成長を図ることが重要

11.復興特別法人税のポイント

・法人税額がなければ復興特別法人税申告書を提出する義務はない
  →しかし、税務調査で法人税額が生じる場合を考慮し提出した方が望ましい
  →また、復興特別所得税の還付を受ける場合は必要

・復興特別所得税は復興特別法人税からのみ控除できる
 (法人税額からは控除不可)

・以下のような税額控除がある場合の、
復興特別法人税の課税標準となる基準法人税額
 【試験研究費の税額控除、所得税額控除、外国税額控除】
  →試験研究費の税額控除適用後の税額が基準法人税額
   (所得税額控除、外国税額控除は適用前にする)


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