2013年3月18日月曜日

3/15 勉強会:相続税:未成年者控除と扶養義務の範囲について ほか


1.【解説】特定口座と株式の取得価額


■テーマ
・証券会社の特定口座で売買した株式について、
 概算取得費を適用できるか

■概算取得費とは
・収入金額の5%を取得費として概算できるという規定

(例) 株を100円で購入、3,000円で売却 譲渡所得は?
・通常: 3,000-100=2,900
・概算: 3,000-3,000×5%=2,850

■問題点
・特定口座で売買した株式は、通常の方法で計算される
・年間取引報告書は正当に計算されたと考えられる

■結論
・特定口座の計算と、申告は別に考えてOK
→申告すれば、概算取得費の適用OK


少人数私募節税封じはH28年以後発行分

■平成25年度税制改正
平成28年1月1日以後に発行された少人数私募債に係る利子は、
総合課税が適用
※現在は、15%の源泉分離課税

では・・・
平成27年12月31日までに発行されたものに係る利子を
28年1月1日以後に受けた場合は?
⇒15%の源泉分離課税が適用

■まとめ
改正の適用は、少人数私募債の発行日で判断する


3.LED照明等も対象のグリーン投資減税の改正ポイント

■グリーン投資減税とは
⇒対象設備(太陽光発電設備等)を取得した場合に
取得原価の7%の税額控除or30%の特別償却の適用を認めるというもの

■改正のポイント(25年4月1日以後の改正)
①LED照明も対象に
⇒従来は、LED単独では対象設備ではなかった。
(LEDの効率を上げる設備の同時併設が必要だった。)
⇒今後は、LED単独でも対象設備になる。

②コージェネレーション設備(※)が7%税額控除の対象に
⇒今までは30%特別償却のみ認められていた。
※エンジンなどの原動機から発生する熱等を
 エネルギーとして再利用できる設備

③補助金による取得は対象外に
⇒今までは、補助金で取得した設備もOKだった。


4.関係法人株式等の合併による承継(法人税)

■まとめ
 A社が完全支配関係のないB社を適格合併により吸収合併したとき、
 A社の受取配当等の益金不算入の計算上、
 B社が保有していた有価証券等に係る株式区分は、
 B社の保有期間及び保有割合によって判定する。

■例示()内は益金不算入となる金額
 ①B社が10%保有していたX社株式…その他の株式等 
                        (受取配当等の額の50%)
 ②B社が25%保有していたY社株式…関係法人株式等 
                        (受取配当等の額)
 ③B社が100%保有していたZ社株式…完全子法人株式等 
                        (その全額)

 ※1 合併の日は2013年1月1日、X社、Y社、Z社は
    すべて12月決算の内国法人とします。
 ※2 どの株式もB社が合併以前に6月以上保有しています。
 ※3 ①につき、A社が合併以前からX社株式を15%以上保有していても
    保有割合を合算して判定しないので、その他の株式等のままです。
 ※4 受取配当等の額…配当等の額から負債利子を控除した金額


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5.源泉復興特別所得税は所得割で損金算入可


法人が源泉徴収された復興特別所得税を復興特別法人税で控除せず、
損金算入するケースの取扱い。

【復興特別所得税】
・復興特別法人税で控除を取らずに損金処理したら、
・所得割でも損金算入。

(参考)【所得税】
・法人税で控除を取らずに損金処理しても、
・所得割では損金不算入。


相続税:未成年者控除と扶養義務の範囲について

■未成年者控除

相続人が20歳未満の場合、一定額を相続税額から控除できる制度。
控除額(<20歳ー年齢>×6万※)が相続税額を超える場合は
扶養義務者の相続税額から控除できる。

※6万→10万へ引き上げ予定

■扶養義務者について
・3親等内の親族
・相続開始時に同一生計であれば実際に扶養していなくてもOK

たとえば、叔父が孫(未成年)の未成年者控除余剰額を控除することもできる。

なお、扶養義務者が複数いる場合は協議により配分する。

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7.単なる同調は国際化にあらず

・日本・ドイツ:法人機能重視
・英・米:株主重視
・株主ばかり重視する傾向は好ましくない
⇒IFRS:間違った世界標準を採用すべきではない

・世界の会計基準がひとつに統合されても国際的な比較可能性は保証されない
・株主は会社財産の所有者ではない。
・会社の財産を時価で評価しても株主にとって意味がない

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8.有価証券の評価のポイント

■有価証券の減損処理の取扱い

①時価のある場合
・時価が取得原価の50%以上下落
⇒減損処理
※30%以上50%未満下落した場合は
 個々の企業の状況に応じて検討する。

②時価の把握が困難な場合
・発行会社の財政状態悪化により実質価額が50%以上低下
⇒減損処理
※事業計画(おおむね5年以内)により
 回復可能性があると判定した場合は減損処理をしないことができる。

③企業買収により取得した場合
・超過収益力が減少したことにより実質価額が50%以上低下
⇒減損処理
※発行会社の財政状態悪化がなくても
 将来の超過収益力が見込めないのであれば減損処理をする。

9.減価償却方法変更ポイント

①(税法上)平成24年4月以降取得する資産
・250%定率法→200%定率法

②(会計上)新規取得に200%定率法を適用する場合
 ・会計方針の変更に該当
   「法令等の改正に伴う変更に準じた正当な理由」による変更

③(会計上)新規取得に200%定率法を適用しない場合
 ・会計用と税務用の2つのデータ
 ・将来更なる税制改正があった場合に、
  税制改正を理由とした減価償却方法の変更ができなくなる可能性

④既存資産
 ・改正後の200%によって償却できる(要届出)

⑤減価償却方法を変更した場合の開示
 ・過年度遡及は行わない
 ・注記は必要(変更内容、理由、影響額)

⑥定率法から定額法へ変更する企業増加
 
10.のれんの会計処理のポイント

・負ののれん
  →発生は特殊な状況であり、慎重に計上を検討する必要あり
 ・のれんの償却期間
  →実務上、投資の合理的な回収期間を参考にすることも可能
 ・在外子会社株式の取得等で生じたのれん
  →のれん期末残高はCR換算
  →のれん当期償却額はAR換算

11.過年度遡及に関するH24.3期のポイント

・貸倒引当金
取崩額>繰入額
  ⇒原則:営業費用または営業外費用から控除または営業外収益として計上
・役員退職慰労引当金
  役退を設定する場合、適用初年度の期首に計上すべき過年度相当額を
  特別損失に計上できる規定が削除
・ソフトウェア
  販売開始後の見込販売数量等の見直しの結果変更した場合は、
  変更後の数量に基づき当年度および
  将来の期間の損益で認識する
・税効果会計
  遡及適用により、過年度における会社分類が異なっても、
  過年度のDTAの回収可能性には影響させず、
  会計方針の変更を行った年度の損益に反映させる


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