2013年2月11日月曜日

2/8勉強会:中小企業に影響がある平成25年度税制改正 ほか


1.ゴルフ会員権の譲渡に係る取得費


■前提
・破綻したゴルフ場の会員権を保有しているが、預託金部分が返還されない
・この場合、ゴルフ会員権を譲渡したときの取得費はいくらか?

■結論
・原則 利用権部分の時価
・特例 利用権部分の取得時の価額

■条件
・預託金部分が100%切捨てとなった場合
・従来どおり施設利用ができる

⇒特例は過去に遡って適用可(更正請求可)


中小企業に影響がある平成25年度税制改正

①所得拡大促進税制
⇒基準年度(この措置法の適用初年度の前年度)より
 給与支給額が5%以上増加した場合
⇒増加額の10%を税額控除することができる。
⇒H25年4月1日~H28年3月31日までに開始する各事業年度で適用。

②交際費課税の損金算入枠
⇒支出限度額が600万円から800万円へ
⇒損金算入割合が90%から100%へ
⇒H25年4月1日~H26年3月31日までに開始する各事業年度で適用。

③商業・サービス業・農林水産業活性化税制
⇒商工会議所から指導を受けて附属設備(60万円以上)や
 器具備品(30万円以上)に投資した場合
⇒取得額の30%の特別償却or7%の税額控除を適用できる。
⇒H25年4月1日~H27年3月31日までに投資を実行した場合に適用。


3.軽減税率で「協議すべき課題」の行方(消費税)

■消費税の軽減税率を10%引き上げ時の導入をめざす
 課題①軽減税率を何%にするか
 課題②インボイス制度の導入ができるかどうか
 課題③軽減税率の適用対象をどう絞るか
 課題④農家による消費税の還付請求の増加の懸念
 課題⑤簡易課税の業種区分の細分化が必要

4.店舗併用住宅、家屋の床面積要件に留意(贈与税)


■住宅取得等資金の贈与とは(措置法70条の2)

 →親・祖父母が子・孫に居住用住宅を取得するための資金を援助した場合、

 1200万円までは贈与税が非課税になる制度(平成25年の場合)

■住宅取得等資金の贈与特例についての改正(平成24年度)
 →居住用家屋の床面積要件が「50㎡以上」だったものが、
 「50㎡以上240㎡以下」に改正
 
■店舗併用住宅等に係る床面積の判定で注意が必要
 →店舗併用住宅等のうち、その全体の床面積のうち2分の1以上が
  居住専用になっていることが要件に

 具体例①:居住用床面積150㎡、店舗用床面積70㎡(合計220㎡)
     →150/220=68%≧50%∴適用あり
 具体例②:居住用床面積70㎡、店舗用床面積150㎡(合計220㎡)
     →70/220=32%<50%∴適用なし

5.退社後の居住者・非居住者判定

■争点
退社後、海外で無償取得した株式に係る所得税は?居住者扱いor非居住者扱い?

■事案の時系列
H18年8月:Aは、Y社の副会長に就任し、海外勤務となった
H19年9月:退社
H20年1月:RSU(※)が権利確定
H20年2月:帰国

■原処分庁の主張
・株式取得日の属する、退社後の期間により居住者or非居住者を判断すべき
■審判所の判断
・退社前の事情(滞在日数、住居、生活状況、職業等)も含めて
 居住者or非居住者を判断すべきである。
→上記より、株式取得日における生活拠点は海外である。
→よってAは株式取得日において非居住者に該当(課税所得に含める必要はない。)

※RSU(リストリクテッド・ストック・ユニット)
自社株式を付与する際に、一定期間の譲渡制限条項を設定する。
譲渡制限期間中の株価の下落が付与対象者の資産の目減りにつながる点が、
ストック・オプションとは異なる。そのため、株主に対する経営責任をより
明確に認識させるメリットがある。

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【法人税】購入した棚卸資産の取得価額


棚卸資産の購入付随費用(消費、販売のために直接要した費用)は
原則として取得価額を構成するが、
購入後に生じた購入付随費用で棚卸資産の購入代価の3%程度と少額なものは
費用処理が可能である。

※・購入時に発生した送料は【購入後に】生じたものではない。
金額にかかわらず費用処理不可。
・自社倉庫から販売店への移送費は【購入後に】生じているため、
3%の基準で判定可能。


自賠責保険料の損金算入時期について

■1年を超える保険料
通常⇒保険期間に応じて期間按分し損金算入
自賠責保険(通常保険期間3年)⇒支払った際に一時の損金とできる

<理由>
・自賠責保険は加入しないと車検が受けられない(強制加入)
⇒運転するのに必要不可欠な費用であるため、
短期前払費用に準じた取扱いが認められている。

(参考)
建設業者に加入が義務付けられている住宅瑕疵担保責任保険(保険期間10年)
についても一時の損金算入が認めれている。

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8.管理単位の最小化

・プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント(現IBM)
・1996年当時の日本法人 赤字続きの会社
倉重氏が社長になり1年で黒字化
・10人前後のチーム制へ
・チームには明確は利益責任を課した
・大幅な権限移譲(仕事の受託は100%チームの自由)
・チームを固定的な組織にした
・業績連動給の割合を増やした
 売上高(チーム)
 利益(チーム)
 顧客満足度(チーム)
 クライアントの最高位の会議体への参加(チーム)
 研修時間(個人) 年間100時間

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9.貸倒引当金の見積り

■財務内容評価法
・貸倒懸念債権、破産更生債権等の貸倒引当金を見積る方法

・算式
(債権金額-担保・保証等による回収見込額)×引当率=貸倒引当金

担保:時価をベースにする
EX.不動産
 不動産鑑定評価額←入手困難な場合が多い
⇒公示地価・基準地価(土地取引価格の指標)
 路線価(相続税等の課税標準)
 固定資産税評価額(固定資産税の課税標準)

時価に信用度等を考慮して掛け目を乗じる
掛け目の目安(金融検査マニュアル)
⇒担保資産の種類によって違う
EX. 土地70%
  建物70%
  国債95%

引当率:率は決まっていない
⇒実務上50%とすることが一般的(その後状況に応じて検討は必要)
 ※破産更生債権等は100%


10.会計不正に対応した監査基準の見直し

■背景
有価証券報告書の虚偽記載等が相次ぎ、会計監査が有効に機能しておらず、
海外の市場関係者からの
日本の資本市場への信頼性や監査に品質の疑念が生じた

■主な内容
・職業的懐疑心の強調
 より注意深く、批判的な姿勢で監査に臨む必要がある
・不正リスクに対応した監査の実施
 抜き打ち監査や監査時期の変更等、企業が想定しない監査計画を組み込む
・不正リスクに対応した監査事務所の品質管理
 監査業務の各段階における品質管理システムの整備・運用と監視

■まとめ
・不正の摘発を目的にはしていない
・効率性が失われ、コスト負担増にならないよう注意
・企業側も内部統制の強化など、未然に防止する努力

11.税効果会計の会社区分変更について

会社区分】
 大きく分けて以下のふたつ。
  ①課税所得プラス継続グループ(区分1、区分2、区分3)
  ②課税所得マイナス経験グループ(区分4但書、区分4、区分5)

【変更の判定が煩雑でない】
 ・課税所得プラス継続グループ内のランクアップ、ランクダウン
 ・課税所得プラス継続グループから
  課税所得マイナス経験グループへのランクダウン
 ・課税所得マイナス経験グループ内のランクダウン

【変更の判定が煩雑】
 ・課税所得マイナス経験グループ内のランクアップ
 ・課税所得マイナス経験グループから
  課税所得プラス継続グループへのランクアップ



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